Joel's Reinforcement Library




禁煙は全て同じでは無い




禁煙経験はひとり一人異なる。それだけでなく、ひとりの人が何度も禁煙すると一回ごとに事情が違ってくる。ある人は禁煙してぞっとするような経験をし、喫煙を再開し、次に禁煙するときにはどんなことが起きるか「知っている」ゆえに恐怖感を持っている。ところが実際には彼らは「知って」いない。次回の禁煙は比較的たやすいことかもしれない。また逆のケースで、ある人は簡単に禁煙に成功し、「もし必要になったらまた禁煙すればよい」 という態度で喫煙に戻ってしまう。次回は恐ろしく困難になり、二度と禁煙することができないかもしれない。

私がこう言うのは今のところ禁煙であなたにはなんら大きな症状が出てこないことがあり得るからです。一日四箱のタバコを40年以上吸っていてごく軽い離脱症状と不快感で禁煙した人が沢山います。この人たちが以前に禁煙しなかった理由は自分の四分の一の喫煙量の人がひどい離脱症状に悩まされているのを目の当たりにして、「彼らが禁煙であんなに苦しむのなら、私は死ぬほどの苦しみだろう」と考えたからです。しかし実際に禁煙する段になると彼らの禁煙は比較的楽なものでした。

多分あなたは現在進行中の禁煙は楽だと思うでしょう。不思議なことが起こっています。もし一風変わったことが起こっても、あなたが依存症ではなかったと考えないで下さい。依存症を示す要素は禁煙がどのくらい苦しいか楽かではありません。実際に依存症が示すのは例外なく喫煙再開が容易なことです。一服吸えば禁煙はどこかへ行ってしまいます。

要約すれば最初の数日は比較的楽かもしれませんし、ある人にとってはとても困難かもしれません。誰にも判りません。唯一判っていることはニコチン無しで三日を過ぎれば肉体的に楽になるということです。心理的な引き金はまだ残っていますがそれに対しては制御可能な方法があります、原則としてなぜ喫煙者にはなりたくないかという気持ちを持ち続ければよいのです。

簡単でも困難でも禁煙にはそれだけの価値があります。数時間禁煙することは努力と、時間とそれに多分少しの痛みを伴います。この努力は意味を持ちます。頑張り続ければ結果がついてきます。あなたをタバコから切り離します。その後で禁煙を続けるための成否の分かれ目は…決してその一服を吸わないで!を知っているかどうかにかかっています。

翻訳:西田季彦


© Joel Spitzer 2002